コロナ禍になってから早くも3年以上の月日が経った。

最初はとても長く思えた暗い時間が、振り返ってみるとあっという間だったようにも感じられる。

開業してちょうど1年が経つ頃だった。

やりたい事だらけで意気揚々としていた僕も、立ち止まりざるをえなくなったが、不思議となぜか不安はあまりなく、不謹慎とも捉えられかねないが、今思い返せばいろいろな事に気づけたり、自分を見つめ直すいい時間になったのかもしれない。

このコロナがもたらした3年間での生活の変化が、どのようにして自分のインプットに変化をもたらしたのか、「物・場所・こと」の3つにフォーカスを当てて振り返ってみようと思う。

「物」

家で過ごす時間が増えた事で、家で過ごすという時間がいかに贅沢で、かつ、より良い住環境がいかに心に安定をもたらす上で大切か、という事に気づかされた。

この3年で沢山の建築(主に住宅)やアートに関する本を購入した。

言葉にするのが難しいが、良い家の写真や図面などを見た時は、何とも言えない充実感のようなものを覚える。すーっと頭が冴え渡るような。また、建築自体や図面などの直線的、幾何学的な美しさは、自分がものづくりをする上で大きな影響を与えるようになったように思える。

アートブック

アートの大切さも実感した。写真、絵画、彫刻などアートの形は無限だが、アートを目にするというインプットは自分のような0から1を作り出す仕事をしている人間にとって必要不可欠なものだと気づいた。あまり言葉が多くなると薄っぺらくなってしまいそうだが、色使いや、物事が視界に入る上での構図の考え方など、アートの鑑賞はそのような点において多くの影響を与えてくれる。

「場所」

これは前述の「物」に関しての内容とも被る部分があるが、明らかに「家」はコロナ前に比べてインプットの場となった。

これは、家で過ごす時間がコロナによって長くなり、それをより良いものにしようと努めた結果の1つとも言える。

住環境をより心地の良いものにするために、建築や家具、アートなどの沢山の本を目にした事自体がインプットでもあるし、またそれらの影響を受けて家具やアートを購入し、居心地の良いと思える居住空間を作れた事も、「家」が最良のインプットの場となった理由である。

部屋

「こと」

「移動距離は想像力に比例する。」という言葉を耳にした事がある。

僕も旅は自分にとって最大のインプットになると思うし、それが好きで今のような海外に行ける仕事の仕方を見出した。

コロナによって海外へ行く機会は減ったが、その分今まで行ってこなかった国内旅行が増えた。東北、北陸、近畿、中国、四国、沖縄といろんな知らない日本を見たり感じたりした。知らない事を知るのはすごく楽しいし、それが新しいインスピレーションの源となる。

やはり旅は海外だろうが国内だろうが僕にとって1番のインプットだと思った。

旅