ロンドン・パリ・NYに続く国際都市へ
スクランブル交差点、ファッションビル、飲食店、ライブ会場・・・渋谷の街はこれといった目玉となる名所があるわけではないが、世界中から観光客が集まり、日々多くの人が行き交う街だ。
現在、大型商業施設やオフィスビルを中心とした再開発が進められているが、その一方で「PLAY! DIVERSITY SHIBUYA」というコンセプトを掲げ、草の根の街づくりにも力をいれている。その中心となっているのが、渋谷区観光協会だ。
「渋谷には、様々な観光資源、企業、そこで働く人がいます。それらを掛け合わせることによって、渋谷らしい街づくりをしていきたいと思っています。国際文化観光都市『SHIBUYA』として、ロンドン・パリ・ニューヨークに並ぶような、世界に負けない観光資源を作っていきたいんです」(小池さん)
企業やアーティストとのコ・クリエイティブ
具体的には、「渋谷音楽祭」などの渋谷という街を背景にした地域イベントや、「ハチ公ミニツアー」などの観光ツアー、また今年1月に天皇杯優勝を果たした渋谷区のバスケットボールチーム「サンロッカーズ渋谷」の開幕戦において、渋谷公式キャラクター「シブヤラブハチ」をコラボ展開するなど、活動は多岐に渡る。
渋谷音楽祭は、毎年10月ごろに渋谷の街全体を舞台に開かれる、街フェス。ライブ会場やホールだけでなく、SHIBUYA109前や道玄坂の道路上にステージを設置し、まさに渋谷全体がフェス会場になるという大型イベントだ。
この二日間のために、ボランティアやイベント会社なども含めた多くのスタッフを動員することになる。様々なバックグラウンドのスタッフが連帯してイベントを安全に行うためには、チームウエアは大切な目印だ。そこで、渋谷にオフィスを構える、シタテルと協業してチームウエアを制作した。
「スタッフは年齢層も幅広く、色合いやデザインは誰でも似合う色を模索しました。チームウエアはスタッフのモチベーションにもつながるので、こだわりたかったんです」(小池さん)
また、B.LEAGUE2019-20 サンロッカーズ渋谷のホーム開幕戦のプロデュースにも関わった。そこで限定配布する「シブヤラブハチ」とのコラボレーションTシャツもシタテルで制作した。
「渋谷の民間企業と、積極的にコ・クリエイティブしていきたいんです。アーティストやクリエイターはもちろんですが、スタートアップ企業なども含め、渋谷でチャレンジする人たちを応援しながら一緒に街を盛り上げていきたい。そういう思いから、シタテルさんとコラボレーションして作ろうと思いました」
テクノロジーからストリートまで
再開発が進む渋谷。高層ビルやオフィスも増え、渋谷で働く人も増え、関係人口も増えていく。その中で、大型商業施設だけにとどまらず、クリエイターやストリートカルチャー、そして地元商店街の活性化にもつなげていきたいと語る。
「渋谷は、本当にテクノロジーからストリートカルチャーまで、いろんなものが混在している街。複合的なカルチャーをアップデートしていきながら、ローカルとして守るべきものもあると思っています。クリエイターからスタートアップまで、多様なプレイヤーが混じり合って、渋谷が世界に誇れる街になっていく。私達はそれらをつなげ、それぞれが挑戦ができるインフラを整えていきたいと思っています」(小池さん)