世界のハイブランドから指名される確かなクオリティ

世界三大毛織物産地といえば、イタリアのビエラ、イギリスのハダースフィールド、そして日本の尾州。尾州では主に毛織物やニットを中心に様々な種類の生地を生産する。分業が進んでいる尾州の中でも中心となっている存在、中伝毛織(NAKADEN)は、世界中のハイブランドから指名入りで注文が絶えない。その理由は、信頼できる確かな品質と、デザイナーのどんなイマジネーションでも正確に形にする生産体制と技術力だ。 中伝毛織(NAKADEN)

Ⅰ.トレンドからの戦略的な機械投資

中伝毛織が、デザイナーたちのあらゆる要望に応えトレンドに先回りした提案ができる背景には、世界のファッショントレンドへ通じているということがある。 トレンドに精通したテキスタイルデザイナーとの繋がりも活かし、未来のトレンドを読み解いて、戦略的に機械に投資をするというサイクルが出来上がっている。最新のトレンドを形にするための機械を先回りして整備することができるのだ。 逆に、最新技術によって今までにない新しいクリエーションを提案することもできる。世界の機械展(ITMA等)にも、社長自らが赴く。機械の組み合わせで研究開発を日々行うことで、新しい柄や風合いを作り出している。

耳ネームジャガード

耳ネームジャガード
最新の耳ネーム設備も保有

ドルニエ織機と最新のカラミ装置

ドルニエ織機と最新のカラミ装置
カラミ組織と新しい糸の組み合わせが可能

Ⅱ.幅広いクリエーションや最先端の素材開発が可能な環境

中伝毛織は、織物とニット、糸染め、整理工場を自社(あるいはグループ会社)で持っている上、産地として周りに工場が集積していることで、幅広い要望に柔軟に対応できることも強みだ。 これだけの幅広いクリエーションを支えているのは、それぞれの工程に専門技術を磨いている技術者だ。地元の専門学校等から積極的に人材採用したり、熟練の技術者と若手・中堅の人材をバランス良く配置するなど、人材育成や技術の継承も戦略的に行う。

最新のオート整経機

最新のオート整経機
多品種小ロットの生産や様々なサンプル作りに対応

デジタルシュミレーション

デジタルシュミレーション
テクノロジーとテキスタイルの知識を併せ持つ技術者によって実現する

ニット工場

ニット工場
充分な規模の編み工場も自社敷地内にある

緯編み機

緯編み機
織物のような編地というテキスタイルの革新的なカテゴリを開発

糸染め工場

糸染め工場
複合素材にも対応する染色工場

整理工場

整理工場
整理まで一貫したテキスタイル生産が可能

この規模を活かして、日本の大手合成繊維メーカーとハイブリット新素材の共同開発も行う。 合成繊維と天然繊維を組み合わせると、加工が難しく、製造の各工程が複雑になる。しかし一貫生産にて試行錯誤することができるためスムーズな開発が可能なのだ。世界でも評価の高い日本の合成繊維と中伝毛織の幅広い機械設備によって、世界でもここでしかできない生地ができあがる。

Ⅲ.オープンで透明性の高いものづくり

問屋業が発展している日本では、直接デザイナーやコレクションブランドとやりとりする機屋は少ない。しかし、ものづくりにこだわるブランドが増えてきた今、若手でもしっかり生地から膝を突き合わせて作りたいというデザイナーもでてきた。 中伝毛織では、そういったデザイナーたちが将来世界で活躍するまでの投資の意味も込めて、駆け出しの頃から付き合いを深めるという方針をとっている。世界各地のコレクションブランドの付き合いなど、様々なルートから若手のデザイナーと接点をつくっている。 中伝毛織 これだけ世界に認められるものづくりをする「尾州」だが、永続的にクオリティの高い生地を作り続けていくために、産地を盛り上げるための取り組みは欠かせない。デザイナーやアパレル関係者はもちろんのこと、小学生から官公庁まで様々な人に対して生産現場をオープンにしている。 また、ツイードランや大手小売とのリサイクルウールの取り組みなど、一般の人にも尾州を知ってもらう活動を積極的に行う。 中伝毛織の高品質で忠実なテキスタイルが、様々なファッションブランドのクリエイティブを支え、世界で評価されていくことで、「Made in BISHU」さらには「NAKADEN」というブランドがより世界での存在感を大きくしていくだろう。 中伝毛織の工場内