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“みんなで想いをカタチにする”「arm in arm」。Instagramを中心に、ユーザーとのデジタルコミュニケーションから「本当に着たい服」を企画する、ユーザー共創型のブランドだ。
2019年3月からスタートし、現在Instagramフォロワー1万人と、30代の女性を中心にファンを増やしている。これまで、Yahoo! JapanやSHOWROOMなどとコラボレーションを仕掛け、ブランドとしても様々な試行錯誤を重ねている。
シーン別でのユーザーの細かなニーズを反映
今回のプロジェクトテーマである「既製品へのお悩み・不満」を解決すべく、フォロワーの方が何に困っているのかざっくばらんにアンケートを投げかけた。中でも声の多かった身体の悩みと、シーン別の困りごとのテーマをピックアップ。シーン別では「大人女子会ワンピース」「旅行で写真 のテーマにしぼり、座談会を開催。Instagram上で応募した熱量の高いユーザーが集まってそれぞれのシーンについて議論を深めた。
『ホテルディナーも1枚で大丈夫!大人女子の華やかカシュクールワンピ』では、パンツ、スカート、ワンピースでアンケートを実施。中でも1枚で様になるワンピースが人気だった。座談会では、「ドレスを着るほどではないけれど、きれいめで大人っぽく着こなせるワンピースがない」、「華やかさはほしいけれど、露出しすぎず体型をカバーしたい」などといった声があった。ウエスト周りをカバーするリボンや、二の腕が露出しないようなフレア袖など、細かい工夫を入れ込んでいった。Vネックでも安心な胸元のボタンは、ママであれば外して授乳もできるなど、痒いところに手が届く仕様だ。
『ラクチンオシャレがかなう!着回し抜群 大人女子の旅ワンピ』は、はじめに「旅行に持っていくとしたらどっち?」というアンケートでパンツとワンピースを投げかけた。結果は1枚で楽に着こなせるワンピースに決定。「飛行機の中ではスウェット素材などでリラックスしたいけれど、目的地に到着後そのままレストランに入れない」というお悩みから、ゆとりのあるシルエットながらも、きれいめなデザインに落とし込んみ、更にはワンピースのみならず羽織でも着用できるように汎用性を加えた。
『産後ママもオシャレしたい!お悩み解決 Iラインワンピース』の座談会で明らかになったのは、「シャツワンピがド定番。なぜなら授乳しやすいから」ということ。アンケートでは、「動きやすさを重視するとカジュアルになってしまう」「結局パンツになってしまう」といった女性らしくも程よいきれいめなワンピースがなかなかないという声が多数だった。そこで、他人と被らないデザインながらも、授乳しやすく、動きやすい設計のワンピースを考えた。
『忙しい朝にこの1着!オンでもオフでも着こなし自在なマルチWAYセットアップ』では、「上下別で着回しできるかと想像していたが、結局どっちかしか着ない」という“あるある”な失敗エピソードから、どちらも着回しのしやすい形を模索した。フリーコメントでのアンケートでは、「ラフ過ぎない普段着」「ちょっとしたときのお出かけが困る」といった声があり、座談会で悩みについての深堀りをしながら形を追求した。
百貨店のおもてなし精神を継ぐ顧客視点
ブランドの企画を担うのは、三越伊勢丹プライベートブランドの企画出身者が中心となったチームだ。商品企画を担当する本田彩夏さんは、こう話す。
「世の中にある既製品に対して、“ここがこうだったらいいのに”という不満を持っている人は多いと思います。ただ通常は、ある程度の量をつくるため万人受けが必要で、細かなニーズを反映するのは難しい。三越伊勢丹としてはこれまでも、店舗という顧客接点を持っているからこそ、店頭で吸い上げたお客様の意見やニーズを商品企画に活かしてきました。arm in arm も、その延長なんです」(デジタル事業部 アームインアーム営業部 本田さん)
百貨店が培ってきた「おもてなし」の精神を引き継ぎながら、現代のライフスタイルに合った方法に転換していく。「arm in arm」には、三越伊勢丹としての姿勢が表れている。
「店頭での接客は一対一ですが、デジタルコミュニケーションは、片手で質問を投げかけたら不特定多数から反応をいただけるので、そういう意味ではとても便利ですね。ただ、オンラインだからといって、おもてなしもないがしろにしないよう、店頭での接客と同じように丁寧な対応を心掛けています」(デジタル事業部 アームインアーム営業部 古田 佳帆里さん)
サステナブルと人とのつながりをキーに
百貨店を取り巻く環境も含めて、ファッションにおける消費者の意向は大きく転換している。本田さんは、これからの消費者の変化について、「サステナブル」「人と人とのつながり」の2点をあげる。
「今回のクラウドファンディングでは、必要な量だけを作るサステナブルな座組をとっていますが、座談会でもそこに共感してくださる方が予想以上に多く、驚きました。こういった形で、お客様と一緒に取り組んでいけるブランドにしたいです」(本田さん)
「座談会に来てくださった方々やフォロワーの方々は、服の良さを他の人にも伝えたいという思いが強く、ブランドのことを自然と広めてくれています。今後は、オンラインでもリアルの場でも、人と人とが繋がれるコミュニティを作っていきたいと思っています」(古田さん)
また、今後はスタートアップ企業などと協働して、インターネット上のツイートや検索データから既製品へのお悩み・不満を収集するトライアルなどもしていきたいと話す。
長い歴史を持つ百貨店が脈々と受け継いできた丁寧な顧客とのコミュニケーションノウハウと、デジタルやデータを使った網羅性とスピードがかけ合わさった、新しい形のデジタル・ネイティブ・ブランド。
「やはり、“百貨店”と聞くとミレニアル世代にはハードルが高いイメージを持たれてしまう。また、実店舗に行く時間がない忙しい方も多いです。『arm in arm』から三越伊勢丹を知ってもらって、他のシーンやその後のライフステージでも利用してもらえたら嬉しいですね」(本田さん)