洗濯物の待ち時間ってなんだか退屈だ。そんな時間を憩いの時間に変えてしまう、素敵なコインランドリーがベルリンから日本にやってきた。 「FREDDY LECK sein WASCHSALON TOKYO(フレディ レック・ウォッシュサロン トーキョー)」。本格的なコーヒーが飲めるカフェが併設し、地域住民のコミュニティの場、まさに「サロン」となっている。そのコミュニティの旗じるしとなるのは、真っ白なコートを羽織ったスタッフたちだ。
街角のコインランドリーに秘められたイノベーションの可能性
「コインランドリー」というと、無人で少し薄暗い場所というイメージをお持ちの方も多いだろう。洗濯機を回しているあいだの待ち時間、そこに居合わせる知らない人との気まずい感じ、落ちない汚れへの悩み・・・。洋服を綺麗にするための場所なのに、その場所自体があまりクリーンではなかった。しかし、実はそこに大きな可能性が秘められていた。
ランドリーの時間をもっと楽しくクリエイティブに
フレディレック・ウォッシュサロンの創業者であるフレディ氏は、元々演劇を学んでいたそう。その経験を活かし、ランドリーの時間をもっと楽しくしたいと、壁紙やBGMまで楽しくなる工夫を散りばめたコインランドリーをつくった。また、カフェスペースをつくることで、洗濯を待つ人同士のコミュニケーションが生まれた。 地域に根ざした「コミュニティの場」として、コーヒーを飲みながらご近所さん同士が交流したり、洗濯について相談したり、時にはクリーニングに出したり、それがフレディレックが提供する「ウォッシュサロン」だ。
ファインデザイン & ファインクオリティ
毎日の洗濯をもっとクリエイティブにするため、ランドリーグッズの開発と販売もはじめた。 モットーは、「ファインデザイン & ファインクオリティ」。ランドリーバスケットや、アイロン台、洗濯ブラシ、ハンガーなど、おしゃれなデザインでありながら使い心地や機能性そして品質にこだわった。 「だからこそ、ウォッシュサロン・トーキョーでも品質にこだわったショップコートとTシャツをオリジナルでつくりたいねと。メイドインジャパンでしっかりしたものを作って、限定販売もしようということになりました」。 と、プロデューサーの松延 友記さんは話す。 「何度もコインランドリーで洗濯にかけても型が崩れないよう、しっかりした生地と縫製にこだわりました。ショップコートのデザインは、ドクターの白衣よりかはもう少しタウンユースなイメージ。ポイントはペンが入れられるようにしたりとワークっぽいディティールをつけつつ、動きやすさは重視しました。Tシャツには、ヘビーオンスのコットンを使って、洗えば洗うほど目が詰まって味の出るようにしました。」(松延さん)
真っ白なコートと笑顔がコミュニティの旗印に
ウォッシュサロントーキョーのある学芸大学は、若者から家族世帯、年配の方々まで様々な人が暮らす街。近年は、働く女性も増え、自宅での洗濯に時間をかけるよりはコインランドリーでまとめて、というニーズも増えているそう。 「老若男女いろんな人が来て、ここで憩いの時間を過ごしてもらいたいと思っています。そのためには、場所というハード面だけでなく、スタッフの接し方やコミュニケーションなどソフト面も大事にしています」(松延さん)。 インタビューをしている間にも、外国人ファミリーやおばあちゃん、女性二人組など様々なお客さんが訪れてきたが、ひとりひとりに声をかけたり、とびきりの笑顔でコーヒーを渡すスタッフが印象的だった。 ランドリー時間のクリエイティブなイノベーションがここに生まれていた。